骨粗しょう症について

どんな病気なの?

骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって弱くなる病気です。骨粗鬆症になっても、最初は何の症状もありませんが、そのうち腰や背中が痛くなったり、曲がったりしてきます。ひどくなると骨折を起こして寝たきりの原因にもなります。 寝たきりの原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨粗鬆症による骨折であることから、高齢社会が抱える問題の一つとなっています。

どうなってしまうの?

一番の問題点は骨折しやすくなるということです。とくに負担のかかる大腿骨の骨折が深刻な問題です。高齢者は、敏しょう性に欠け、骨も老化のためにもろいので骨折しやすいと、誰もが漠然と考えています。 ところが、「ちょっと廊下で滑った」とか「布団につまずいた」といったような、ふつうでは骨折するはずがないような、家庭内のちょっとした事故が骨折の原因の多くを占めている現実はあまり知られていません。 骨粗鬆症では、そこまで骨がもろくなっているのです。

骨が減ってしまう原因とは?

骨は固いので、一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。これを骨代謝といいます。ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。

早期発見のために

骨粗しょう症が病気として診断されるのは骨密度検診などで問診や骨量測定をしてはじめて・・・という場合が多いようです。他の病気と一番違うのは『自覚症状がない』ことです。骨が痛いということはなく進行していき、何かの拍子に折れてしまうという点が一番やっかいな病気です。すべての年齢に当てはまることですが、予防に勝る治療はありません。気が付いた時に始めるのが一番です。半年~1年間の間隔をあけて骨量測定を行えば、実際にその間の自分の骨の変化が分かり「今回も引き続き骨量が減少しているか?」「今までの生活でだいじょうぶなのか?」を判断することができます。各年代で骨の状態を把握することで、食生活や、運動などの生活上の注意を行った予防、あるいは早期治療がはじめられます。
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